8月2日の取材をもとに、駐車場から千曲川源流までの地図を作成してみたが、高圧線など、ランドマークとなるものもない山中なので、例えばナメ滝などは、毛木場駐車場にあった地図とずいぶん違った位置となってしまい、確信がもてるものではなかった。
で、5日に、再度源流へ向かった。
なめていた訳ではないが、2日は通常の平地取材のように中型カメラバックを肩に掛けて登った。それをちょっと反省して、この日はデイパックを背負った。左右の肩にカメラと三脚を掛け、手には2万5千分の1地図のコピーと赤ボールペン。ポイントを探りながら遡ったつもりだったが、トレースした線は甲武信ヶ岳を越える始末。やれやれ、どうしたものかと、誰もいない標柱の脇で休んでいると、一人またひとりとお仲間さんが現れ、ドヤドヤドヤと列になって人々が登ってきた。聞けば佐久地方のツアー客で、60人あまりだという。これは「おいしい」写真になるわい、フフフ……と喜んだのであった。
さて、帰路も新たなコピー地図で、等高線の形状や沢の流れの姿などを読みとりつつ下った。沢が右、左に曲がる個所に気をつけていくと、自分のいる位置がまちがいなくわかってきた。次は右だ、左だ、との予想通りに流れが曲がり、「まさにオイラは人間ナビゲーション」状態を愉しんだ。
大山祇大神の社の前まで、きちんとトレースができた時、駐車場の地図も、大山祇大神の前に「千曲川源流4km」とある標識も、誤りだと断言できるまでの自信がもてた(距離はもっと長い。おそらく、ナメ滝ぐらいまでが4kmだろう)。そして、5.7kmに振り回された8月2日の苦い経験の、痛快なる敵討ちが出来た気になったのでありやした。
●Fine Pix S2/18〜70mmズーム/2009.8.5千曲川源流
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